第104章 彼女が息子に抱くのは憎しみだけ

江口若葉の顔色は、立花時安が辻本雨妃の手を握っているのを見た瞬間、いっそう陰った。

――こいつが結婚に同意したのは、あの二人の子どもと、辻本雨妃というクズのためだけ。

「立花時安……あんた、本当に薄情ね」

若葉の声には、歯ぎしりするほどの憎しみが滲んでいた。

「当時だって、私は危険を承知であんたの息子を産んだのよ? それなのに、私への仕打ちがこれ?」

言葉を重ねるほど、彼女は狂気じみていく。若葉は雨妃を指さし、罵声を浴びせた。

「辻本雨妃が何だっていうのよ! バツイチの中古品じゃない! なんでそんな女に優しくするの!」

立花時安は雨妃の手を放さないまま、氷みたいな声で言い切った...

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