第105章 以心伝心の二人

彼女の狂ったような様子を見て、立花時安は眉間に深い皺を刻んだ。隙を突いて距離を詰め、この場で取り押さえるつもりだった。

だが江口若葉の反応は早い。彼女は咄嗟に短刀を振りかざし、立花時安を牽制する。

「近づかないで!」

そして、はっとしたように立花時安を見据え、どこか自嘲気味に口元を歪めた。

「立花時安……あんた、最初から私と結婚する気なんてなかったんでしょ? 今だって、私を宥めて……この子たちを助け出したいだけ」

視線が辻本雨妃と立花時安の間を行き来し、次の瞬間、若葉は素早く透のそばへ移動する。鋭い刃先が、透の小さな頬へ向けられた。

透は怯え、下唇をぎゅっと噛みしめたまま、ぎゅっ...

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