第11章 どうしてここに?

六年も経つ。

辻本雨妃は、とっくに二人は結婚して、子どもまでいるものだと思っていた。

なのに――違った。

どうして。

眉をひそめ、胸の奥に小さな疑問が湧く。けれど雨妃は、すぐにそれを押し殺した。

理由なんて、もうどうでもいい。

いずれにせよ、自分には関係のないことだ。

むしろ痛いところを突かれたのは日野遥の方だった。顔色が青くなったり白くなったりと目まぐるしく変わり、辻本雨妃を見る目には、あからさまな怨毒が滲み出る。

「調子に乗らないで! 私と景辰は、いずれ必ず結婚するわ! でも、あなたはどうなの」

冷笑を浮かべ、立花時安と透の方へちらりと視線を流す。声音には、ねっとりとし...

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