第110章 真相を知ったらどうする

立花時安は伏し目がちに彼女を一瞥し、声にならない溜息を落とした。

話題を逸らそうとしているのは、見れば分かる。

それでも彼は、彼女の望むほうへ言葉を合わせた。

「江口若葉は、誘拐、傷害、爆発物の違法所持の容疑だ。併合罪で……最低でも七年は固い」

一拍置いて、声がさらに沈む。

「弁護士に追わせてる。今回は必ず重く裁かせる。君と透に、二度と手を出せないように」

辻本雨妃は小さく頷いた。表情は静かだ。

「自業自得ね。自分のしたことの責任を、法律で取らされるだけ」

けれど、廃工場で見た江口零の、あの感情の抜け落ちた小さな顔が脳裏をよぎる。胸の奥が、かすかにざわついた。

生まれてから...

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