第118章 日野遥が階段から転げ落ちる

二日後。

辻本雨妃は研究室でデータ処理をしていた。スマホがぶるっと震え、浅井景辰からのメッセージが表示される。

『退院した。いつ飯おごってくれる?』

雨妃は思わず白目をむいた。

この男、本気で覚えてやがる。

とはいえ、あの日、彼が雨妃と透を助けたのは事実だ。食事の一回くらい奢るべきだろう。透もずっと体調を気にしていたし――どういう形であれ、父と子だ。三人で食卓を囲むのも悪くない。

『時間と場所』

すぐに返信が来る。

『珍閣。18時。マンションまで迎えに行く』

「家族三人の食事」なんて、そう何度もあるものじゃない。浅井景辰とどうこうするつもりはないが、透にとっては記憶に残る時...

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