第149章 命の恩人?

数日後、入札説明会が始まった。

立花時安は海外へ発つ前、社内の権限をいくつも辻本雨妃へ委ねていた。今回の入札説明会の主導権も、そのひとつだ。

辻本雨妃は資料一式を抱え、立花グループの代表として会場へ向かう。助手席の須藤言と打ち合わせをしていたところへ、浅井景辰から電話が入った。

「もう会場に着いた」

受話口越しの浅井景辰の声は、背後がざわついている。

「人が多い。そっちはどこだ?」

ここ数日、浅井景辰は何かにつけて電話やメッセージを寄こしてくる。言葉遣いも以前とはまるで違った。刺すような冷たさが薄れ、どこか柔らかい。

辻本雨妃も、最初は拒んでいた。その変化を、今は少しずつ受け入...

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