第168章

その後の二日間、辻本雨妃は笹川傑の件を特に気に留めることもなく、いつも通り立花グループでの仕事に追われながら、辻本グループの諸々の案件も捌いていた。

二日後――笹川傑が、再び辻本雨妃の前に現れた。

場所は南区の目立たないレストラン。個室は奥まっていて、外の気配が嘘みたいに遮断される。

笹川傑はすでに席についていた。目の前には鉄観音の茶壺。ふわりと立つ香りが、薄い湯気に混じって漂う。

辻本雨妃が入室し、向かいに腰を下ろす。

笹川傑は微笑み、誠実そうに切り出した。

「辻本さん。ご検討のほどは?」

期待を隠しきれない視線を受け、雨妃は唇の端だけをわずかに上げる。回りくどいことは言わな...

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