第46章 なぜ彼女と結婚しないのか

彼女の瞳に宿る助けを求める色を見て、立花時安は内心ひそかに胸を躍らせた。だが表には一切出さない。あくまで落ち着いた顔のまま。

しゃがみ込み、透と目線を合わせる。声はやわらかく、それでいて真剣だった。

「じゃあさ。透、これから俺のこと――お父さんって呼んでみる? どうだ」

透はじっと彼を見つめ、何かを考えるように間を置いたあと、辻本雨妃をちらりと見上げた。やがて小さく頷く。

「いいよ。じゃあ、これからパパって呼ぶ」

立花時安は一瞬きょとんとしたものの、次の瞬間には笑みが抑えきれなくなっていた。

「透、いい子だな」

そう言って、透の髪をそっと撫でる。慈しむような笑顔。

辻本雨妃の...

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