第56章 信じられるか?

トレンドの件にしたって、辻本雨妃はべつに根に持つつもりはなかった。まして辻本椎子が声明を出したことで、かえって彼女にも立花グループにも追い風が吹いたのだ。

突き詰めれば、日野遥の浅はかさには礼を言ってもいいくらいだった。

「分かったわ」

辻本雨妃は最後に書類を閉じた。

「この件は時安に話しておく。どうするかは、あの人が決めることよ」

そう言い残し、辻本雨妃はその場を離れようとする。

「車はどうした」

彼女が行こうとしたところで、浅井景辰が二歩ほど踏み出し、また行く手を塞いだ。

「立花社長には関係ないでしょう」

辻本雨妃はそう返しながらスマホを取り出し、配車アプリを開く。

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