第79章 あんた!狂ったの?

浅井景辰は本家を出るなり車を飛ばし、立花グループ本社ビルへ直行した。目的地はただ一つ。辻本雨妃のオフィス。

その頃、雨妃は実験データの報告書に目を通していた。ふいに廊下のほうから言い争う声が聞こえ、顔を上げた瞬間——

ドンッ、と乱暴にドアが押し開けられた。

浅井景辰が怒気を纏ったまま踏み込んでくる。

「辻本さん、浅井社長が……止められなくて」

須藤言が後ろから追いかけてきて、焦ったように言った。

浅井景辰の目の奥に走る赤い血管を見て、雨妃は眉をひそめる。

「浅井社長。どんなご用件でも、まずノックが先では?」

浅井景辰は答えない。代わりに須藤言へ視線を投げ、氷みたいな声で言い放...

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