第8章 六年前のことを調べてはっきりさせろ!

男は二人の間へ数歩で割って入り、ごく自然に辻本雨妃を自分の背後へ庇った。声音も、わずかに柔らかい。

「取材のほうが待ってる。行こう」

辻本雨妃は目を上げて男を見た。小さく微笑み、こくりとうなずく。

「ええ、行きましょう」

その顔を見て、浅井景辰はわずかに眉をひそめた。

立花時安。

この二年で、この街に突如として頭角を現した立花グループ。その名を一気に商界へ轟かせた男であり、立花グループの社長でもある。

浅井景辰も、以前ビジネスサミットで一度だけ顔を合わせたことがあった。若くしてやり手。手腕は鋭く、今の財界でもっとも勢いのある新星の一人。

まさか、こんな場所に現れるとは。

立...

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