第82章 一緒に連れて行ってよ

車を走らせながら、浅井景辰はバックミラー越しに本家を一瞥した。冷えた目を細める。

祖父が亡くなってからというもの、祖父に嫌われ続けていた母がようやく帰国し、そのまま本家へ戻った。しかも日に日に言葉尻がきつくなり、意地の悪さばかりが目につく。景辰はそれが好きになれず、本家へ顔を出す回数も自然と減っていった。

母にとって大事なのは、息子よりも世間体と体面――そんな気がする。

それからの景辰は、婚約パーティーの件に本当に一切口を出さなかった。まるで自分とは無関係だと言わんばかりに。

結局、浅井景辰と日野遥の婚約披露宴は五日後、帝都ホテルの最大宴会場で行われることになった。

日が近づくほど...

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