第83章 いちゃもんをつけに来た者たち

その言葉に、辻本雨妃は胸の奥がきゅっと締めつけられた。

――あれは、彼の実の父親が、別の女と婚約する席だ。

「透」

辻本雨妃はできるだけ軽い調子を作って言った。

「そこは大人の宴会なの。子どもは入れないのよ」

「どうして行けないの? ママ、僕のこと、邪魔だって思ってる?」

辻本雨妃はその場で固まった。言葉が、うまく見つからない。

立花時安が透の手を握ったまま、率直に説明する。

「浅井おじさんの婚約パーティーってだけだ。透が行っても退屈だぞ」

言い終えると、透は黒い瞳を細め、数秒考え込んだ。やがて立花時安をまっすぐ見上げる。

「どうして向いてないの? 僕、浅井おじさんとは何...

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