第96章 外人のことばかり気にかけるとわかってた

立花夫人は江口零の手を引き、リビングへ入ってきた。江口若葉の姿を認めた途端、思わず眉をひそめる。

挨拶のひとつもせず、そのまま零を連れて反対側のソファへ腰を下ろした。

江口若葉はコーヒーカップを置き、入ってきた面々を一瞥する。視線は最後に零へ落ち、口元がわずかに持ち上がった。

「零、こっちにおいで」

声量は小さく、むしろ優しいと言っていい。だが零の身体は、びくりと目に見えて震えた。

反射的に立花夫人の背へ隠れ、ぎゅっと裾を握りしめる。

孫の怯えを感じ取った立花夫人は胸が痛み、そっと抱き寄せて小声で宥めた。

「零、怖くないよ。お婆さんがいるからね」

その様子を見た江口若葉は、く...

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