第99章 彼は社長の息子ではない

浅井景辰は口元をわずかに吊り上げ、ようやく辻本雨妃へ視線を向ける。鼻で笑って言った。

「お前のママの性格くらい、俺はよく分かってる」

辻本雨妃は透と目を合わせ、思わず眉をひそめた。

浅井景辰は一拍置き、断言する。

「お前は、立花時安の息子じゃない」

辻本雨妃の胸がひやりと締まった。だが表情は崩さない。

「それ、ただの思い上がりよ」

浅井景辰はまた軽く笑い、今度は透へ視線を移した。

「欲しいものがあるなら言え。俺が全部、手配してやる」

透は視線を引き、淡々と返す。

「浅井おじさん、鑑定結果が出てからにしましょう」

浅井景辰は透を見つめ、口元の笑みをさらに深くした。

――...

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