第50章 楽しませる

安田美香は眉をひそめた。「藤原辰がどうかしたの?」

安田柔子は目を見開き、怒りに震えていた。「彼に男を斡旋したんでしょう?」

安田美香は肩をすくめた。「彼が男性を好むかなんて、私は彼の性的指向について知らないわ。でも、あなたは彼の婚約者でしょう?一番よく知っているはずじゃない?」

「もう演技はやめなさい、安田美香。あなたでしょう?同性愛者を買収して辰を台無しにした。彼があなたに気持ちを抱かないようにするためよね」

安田美香は笑い声を上げ、道化師を見るような目で安田柔子を見つめた。彼女は相手のバッグを引っ張り、中から録音機を取り出した。「私の言葉を録音するつもりだったの?」

「あなた...

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