第6章 最後の別れ

 聖光祭の前日——それは、私の二十一歳の誕生日だった。

「レオット」

 私が彼を呼び止めたのは、彼が祈祷室へ向かう途中だった。

 彼は足を止め、わずかに眉をひそめる。

「どうした? 昨日の準備の報告を、アリシア様が待っておられるのだが」

 私を見る目つきまで、どこかぞんざいになっている。

「今日、私の誕生日なの」

 私は彼の目をまっすぐに見つめた。

「だから……ここを離れる前に、ちゃんとした誕生日を過ごしたい」

 レオットは一瞬、虚を突かれたようになり、その瞳に複雑な感情がよぎった。

「誕生日?」

「うん、二十一歳の」

 私は努めて微笑みを保った。

 彼は長いこと黙...

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