第103章

水宮雪音は悠人の病床の脇に静かに腰を下ろし、彼がふいにびくりと身を震わせたのを見て、胸の奥がぎゅっとねじれるように痛んだ。

穹はお利口にベッドの縁へぺたりと伏せ、悠人が目を開けるのを今か今かと待っている。

『ママ、悪いおばさんって……ほんとは悪い人じゃないの? だって、なんでお兄ちゃん助けてくれたの……』

穹がぽつりと口を開いた。さっきまで散々「悪いおばさん」だと罵っていたのに、今は罪悪感が湧いてきたらしい。

水宮雪音はその問いにどう答えればいいのか分からず、ただ淡く「うん」とだけ返した。

笹谷幽々子が悠人の命を救った。それだけは事実だ。恩は、確かにある。

『じゃあ……わたし、あ...

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