第111章

「おじさんと一緒にいたくないの?」

江原翼は穹に笑いかけ、わざとそう訊いた。

穹はにこにこして、

「そんなわけないよ。穹、おじさん好き」

その一言に、江原翼の胸がじんわり温かくなる。水宮雪音よりよほど素直で可愛い。

穹の口元にソースがちょこんと付いているのが見えて、江原翼は指先でそっと拭ってやった。

「ありがとう、おじさん」

穹はぺろりと口角を舐め、無邪気に笑う。あまりに愛嬌があって、放っておけない。

江原翼はスマホを一瞥した。相変わらず、返事はない。

立ち上がって少し離れた場所へ行き、影山に電話をかける。

「調べろ。水宮雪音がY市で泊まってるホテル」

影山は即答で動い...

ログインして続きを読む