第119章

『俺のこと、心配してくれてんの?』

江原翼はゆっくりと言い、視線を水宮雪音に据えたまま、彼女の顔からほんのわずかでも情を読み取ろうとした。

けれど雪音の表情は切り替わるのが早すぎて、翼には掴めない。

翼は手にした薬の包みを持ち上げ、雪音に向けて言う。

『ありがとう。ちゃんと飲むよ』

水宮雪音は淡々と「うん」とだけ返し、視線を逸らした。

『勘違いしないで。穹のことがあるからよ。あなたに悪いなんて、別に思ってない』

『水宮雪音。俺が怖いのは、君が「悪い」って思うことなんだ』

翼は言葉を遮り、少しだけ声を強めた。

――彼女は分かっている。自分が何を求めているのか。

男の熱を帯び...

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