第138章

江原翼は車を追って数百メートル走った。足取りはみるみる重くなり、呼吸は荒くなる。ついには力尽き、片膝を地面についた。

そのときにはもう、水宮雪音たちの乗った車は視界の果てへ消えていた。

影山が車で追いついた瞬間、ちょうど江原翼がふらついて崩れかけるのが見えた。影山は慌ててサイドブレーキを引き、その場に停めると飛び降りて肩を支える。

『江原様! 大丈夫ですか!』

江原翼は大きく息を吸っては吐き、額の汗と雨粒が混じって地面へ落ちた。

歯を食いしばり、両手で膝を押さえて立ち上がろうとする。だが脚はふにゃりと力を失い、結局、影山の腕に縋ってようやく半身を起こすのが精一杯だった。

『早く…...

ログインして続きを読む