第14章

「……このクソガキ、あとで泣きを見るぞ!」

お祖父さんはどうやら罵り足りたらしく、怒鳴り散らしたあと、湯呑みを掴むと一息に飲み干した。

なおも荒く上下する胸元を眺めながら、江原翼は眉間を指で揉み、ため息を押し殺す。

――あいつは、のうのうと生きている。

その事実だけで、胸の奥の火が勝手に煽られていく。

「いいか。江原家に『女主人なし』なんてあり得ん。明日は見合いに行け。さもなきゃ、わしが会社に乗り込んで騒いでやる」

「祖父さん。江原家には女主人がいる」

江原翼は静かに息を吐いた。

「祖父さんがずっと気にしてる水宮雪音は、生きてる」

本当は調べ切ってから世に出すつもりだった。...

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