第15章

「まったく、参ったな……!」

院長は手術室の前を行ったり来たりしながら、落ち着きなく靴音を響かせた。少し離れた場所に立つ黒服のボディガードたちを見て、思わずため息が漏れる。

「参った……本当に参った……」

もう少し時間を稼いで、その間にアヤメと腹を割って相談できると思っていたのに。江原翼が、最初から逃げ道を塞いできた。

「院長、どうします?」

隣に控える院長秘書も、困り顔で小声を落とす。

「どうするも何もないだろうが!」

院長は秘書をにらみつけた。

「お前は江原様たちのところに付いていろ。こっちは私がアヤメに話してくる」

「えっ、僕が……?」

秘書の顔がくしゃっと歪む。

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