第16章

「アヤメ先生、院長が会議室に来てほしいそうです」

翌朝。水宮雪音はいつも通り出勤した。

前日にあった小さな一件など、彼女はまるで気にも留めていない。

パソコンを立ち上げたところで、小柄な看護師が小走りで駆け寄ってくる。

雪音は軽くうなずき、席を立つとそのまま小会議室へ向かった。

まだ扉をくぐる前だというのに、中から言い争う声が漏れてくる。

「院長、新しい人材を迎えるのも、有能な人に旗振り役を任せるのも賛成です。しかし旗振り役なら、本人の人柄や医徳も考えるべきでは?」

「見てください、来てまだ何日です? トラブル続きで同僚とも噛み合わない、患者を断る、患者の前で患者を叱りつける…...

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