第21章

「大悪党! やめろ! 妹に手ぇ出すな! 何かあるなら、ボクに来い!」

五歳の子どもとは思えないほど、声は澄んでいた。

背水の覚悟を乗せたまま、机の下から勢いよく這い出してくる。

悠人がみっともなく机の下をくぐりながら、中二病みたいな大声で叫ぶのを見て、居合わせた数人はこらえきれず吹き出した。

江原翼の胸にも、理由の分からない愉快さがふっと灯る。

「ほう? まだもう一人いたか」

「影山、警察を呼べ。犯人が二人だ」

「ちがう! 通報するな!」

悠人は顔を真っ赤にして、焦りまくった。

やばい、やばい。

またやらかした。

ママに知られたら、きっと腰を抜かす。

一方、水宮雪音は...

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