第23章

『教えろ。お前たちの母親は誰だ』

年を取ってからというもの、祖父がここまで取り乱すのは珍しい。

片手は杖をきつく握りしめ、もう片方の手は悠人の腕をがっしり掴んで離さない。

その問いかけには拒否を許さない圧があり、目は火を宿したみたいに鋭かった。

悠人はびくっとしたが、それでも背後の妹を庇うように一歩も引かない。

『言うわけないだろ! 離せよ、帰らせろ!』

祖父は悠人の抵抗など意に介さず、同じ問いを繰り返す。

影山は、祖父が子ども相手にここまで強引になるところを初めて見た。思わず悠人に同情しつつ、いつでも宥めに入れるよう身構える。

見れば分かる。

この二人は、男の子が主導権を...

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