第26章

水宮雪音は反射的に手を上げ、考えるより先に江原翼の手を取っていた。

痺れて膨らむように痛む箇所を、ごく自然な動きで揉みほぐしていく。

『最近は力を入れすぎないように。夜、寝るときも腕をかばって……』

丁寧に言い含める仕草は、以前とまったく変わらない。

翼が負傷したばかりの頃も、水宮雪音はこうして彼のそばにいて、日々を支えてきたのだ。

江原翼は他人に触れられるのを嫌う。しかも医師の診断は容赦なかった――回復して見えても、それは表面だけで、この手は結局もう使いものにならない、と。

誰だって事故など望まない。まして障害を負うなど、なおさらだ。

交通事故。両親の死。自分は不具者――。

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