第28章

院長の読みどおり、水宮雪音が口を開いた途端、研究所のほうは一切の抵抗もなく話が通った。

知らせを受けた院長は興奮を隠しきれず、明日は自分が運転して、二人を直々に送り届けると息巻いた。

「大丈夫ですから」

水宮雪音がそう言っても、院長は聞き入れない。

翌朝――院長はさらに気合が入っていた。まだ薄暗いうちから車を玄関前に回し、関係者まで連れて待ち構えている。

そこまでされては、水宮雪音もこれ以上の遠慮はできない。手早く支度を済ませて乗り込み、院長の運転で研究所へ向かった。

研究所はやや辺鄙な場所にあり、T市をぐるりと一周するようなルートになる。

車内が静まり返るのを嫌ったのか、院長...

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