第30章

二人のちび助は、水宮雪音に居場所を見抜かれているなど露ほども知らず、別荘の中で得意げにしていた。

穹は執事からスマホを返してもらうと、ちょこちょこと小さな足を動かし、悠人を探しに行こうとする。

数歩も走らないうちに――不意に現れた誰かと、正面からぶつかった。

『いてっ!』

『……っ』

違う声色の悲鳴が、ほぼ同時に弾けた。

穹は痛む鼻を押さえたまま、堪えきれない涙をぽろぽろ落とす。

『うう……痛い……』

『穹!』

ちょうど階段を下りていた悠人が、穹の泣き声に気づいた瞬間、二段飛ばしで駆け下りてきた。

心配でいっぱいの顔のまま穹の前に膝をつき、肩を支えて矢継ぎ早に訊く。

『...

ログインして続きを読む