第34章

以前だったら、あの子たちは当然、飛び跳ねるほど喜んだはずだ。

けれど昨夜の一件が尾を引いていて、二人ともどこか怯えている。

返事もできない。

水宮雪音のほうを見ることすら、できない。

一歩でも外へ出たら、ママに捨てられる。そんな気がして。

男は気づかないふりをして、二人の背中を押しながら階段を上がっていく。続いて水宮雪音のそばへ寄り、肩にそっと腕を回すようにして外へ連れ出した。

『行こ行こ行こ。あんたの新しい職場ってどんな感じ? イケメンいる?』

『オンリー、あなた……』

水宮雪音がようやく口を開いたが、二文字も言い終えないうちに遮られる。

『シーッ! 可愛い子ちゃん、朝か...

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