第40章

鈴村平は胸の奥の引っかかりを押し込め、眉をひそめたまま一歩、前へ出た。

笹谷幽々子たちを背に庇い、棍棒を手にした連中を真正面から見据える。退く気配は微塵もない。

『おい坊主、どけ。お前が鈴村家の可愛がられてるお坊ちゃんだろうが、うちの兄貴の前じゃ屁でもねぇ。最後に10分やる。江原翼が出てこなきゃ、この女は血が尽きて干からびるまで放っとくぞ!』

先頭の男が棍棒で笹谷幽々子を指し、容赦なく吐き捨てた。

バーの客はとっくに消え、残っているのは二つの勢力だけだった。

『……ずいぶん威勢がいいな』

低く、腹の底に響く声が、奥から滑り込んでくる。

全員がその声に振り向いた。

光と影の境目...

ログインして続きを読む