第42章

誰も止める者はいない。江原唯は、思う存分しゃべり散らした。

しんと静まり返ったホールが、まるで彼女の言い分を肯定しているみたいで、江原唯は自分がなにをいってるのか、気付かなかった。

周囲もまた、当然の顔で見世物を眺めている。口元と視線には、露骨な嘲り。

――お爺さんの鞭が、江原唯の身体を打った。その瞬間、場の空気が一変した。

『あっ!』

江原唯は痛みを堪えきれず声を上げ、身体をぶるぶる震わせる。

信じられない、という顔でお爺さんを見上げ、鋭く問い詰めた。

『どうして……!?』

返ってきた答えは、言葉ではなかった。お爺さんの手の中で、鞭がもう一度鳴る。

江原徳矢と江原澪の顔色...

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