第43章

『水宮雪音……』

『いつからそこにいたの?』

ほとんど同時に、ふたりの声が重なった。

江原翼の姿を認めた瞬間、水宮雪音の胸はぎゅっと締めつけられ、瞳孔が勝手に開く。

全身の血が一気に頭へ集まったようで、くらり――視界が暗転し、足元がふらついた。

倒れるわけにはいかない。

彼女は咄嗟に拳を握り締めた。爪が肉へ深く食い込むほど強く。

――聞かれた?

さっきの、子どもたちとの会話を。

光が江原翼の身体をまるごと照らしていて、水宮雪音からは彼の表情が読めない。

江原翼は答えない。代わりに数歩、こちらへ。距離を詰めてくる。

水宮雪音は反射的に後ずさりし、墨のように沈んだ瞳をまっす...

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