第52章

『よし、急げ。俺が仕掛けた盤はもうじき形になる。雪音の身元さえ確定すれば、この勝負は決まりだ』

祖父は、途方もない大勝負を打とうとしていた。狙いは、この業界で三つ巴になっている勢力図を塗り替えること。

そして笹谷家という「腐った駒」を、盤上からはるか遠くへ蹴り飛ばすこと。

さらに――江原家そのものを、徹底的に粛清すること。

祖父は、江原家が今どんな局面に立たされているかを骨身に沁みて理解していた。江原翼は苛烈だ。祖父がこの一手を打たなければ、江原翼は江原家の中で二心ある者を片っ端から刈り取るだろう。

『承知しました。下の者に、さらに急がせます』

福山が要件を受けると、続けて別件を...

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