第54章

朝焼けの一筋が雲霧を押し分け、地上へとこぼれ落ちた。

子供の二人はオンリーをじっと見上げ、左右からぎゅっと太腿にしがみついている。

『二人とも、いい子にして。先に学校へ行って』

オンリーは、もう感覚が鈍くなっていた。

この子たちは朝からずっとこうだ。どう宥めても、耳に入らない。

昨日までは、ドローンをネタにして操縦させ、ついでに水宮雪音と会話させることで誤魔化せた。

だが今日は通じない。二人の要求はひとつだけ――水宮雪音に会いたい。

『いま騒いでもどうにもならない。オンリーお父さんの言うことを聞きなさい。オンリーお父さんが約束する。今夜、必ずママに会わせる』

『じゃあオンリー...

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