第64章

胸元の服を掴まれ、そのまま引き寄せられる。いちばん上のボタンがぱちんと弾け、白い肌が大きく露わになった。

水宮雪音は目の前の光景に呆然とし、次の瞬間、耳まで真っ赤になる。

慌てて二人の距離を引きはがし、顔を上げると――江原翼がこちらを見て、にやりと笑っていた。

その下心丸出しの笑みに、雪音の理性がぷつりと切れる。

水宮雪音は怒りに震えながら、ドアの方を指さした。

「出ていって」

江原翼は口角を薄く上げ、目を細める。のんびりした手つきで外れたボタンを留め直しながら言った。

「照れてんのか?」

「もう夫婦だろ。今さら何だよ、水宮雪音」

からかわれて、ただでさえ赤い頬がさらに熱を...

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