第68章

江原の祖父が救急搬送され、手術室へ運び込まれた。

オンリーは、二人の子どもに甘い言葉で乗せられた形で、結局ここまで付き添ってしまった。

とはいえ、あの子たちの根っこは優しい。オンリーは「父親」として、どこか嬉しくもあった。

一緒に来た笹谷幽々子は顔面蒼白のまま、手術室の扉の前で落ち着かずに待っている。

彼女は震える指で江原翼に電話をかけた。

『翼さん……大変なことになりました』

『何があった』翼の声が返る。

『お祖父さまが……病院に……』

幽々子は何度も心の中で言い訳を組み立ててから、ようやく真実を吐き出した。スマホを握る手に力が入る。

『どこの病院だ』

『T市市立病院で...

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