第83章

血のつながった相手だ。距離が縮まるのも、無理はない。

その言葉を聞いた瞬間、穹はぱっと口元をゆるめると、水宮雪音に身を寄せ――頬にちゅっとキスを落とした。

小さな塊みたいな愛情が伝わってきて、雪音の胸がふわりと温かくなる。

……そうだ。

私は何を、あれこれ悩んでいたんだろう。

穹と悠人が、ずっと自分のそばにいてくれれば、それでいい。

翌日。

水宮雪音が病院へ出勤し、タイムカードを切った直後だった。

江原翼が介助スタッフの手を拒み、苛立って追い返した――そんな話が耳に入る。

雪音の表情がすっと冷える。足早に病室へ向かった。

ドアの前まで来ると、すでに刃山夜がベッド脇に立って...

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