第85章

水宮雪音があれほど必死に関係を切り離そうとするのを聞いて、江原翼の瞳がすっと陰った。

そこへ刃山夜が弁当箱を提げて入ってくる。分かってますよ、とでも言いたげな顔で江原翼の背後に回り、肩をぽんと叩いた。

『ほら、飯。届いたぞ』

江原翼は冷たい目で刃山夜をえぐる。

――今じゃないだろ。

刃山夜もその視線の意味は百も承知で、すぐに両手を上げてみせた。

『呼んだの、お前だろ』

江原翼は言い返せず、込み上げた苛立ちを腹の底へ押し込んだ。

刃山夜は弁当をテーブルに置き、さっと身を引く。

『じゃ、俺は邪魔しないわ』

水宮雪音はその場で固まった。

……邪魔? 何の話?

『邪魔じゃない...

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