第100章 防御崩壊

『三年前――北アフリカの峡谷で。生き延びるために泥沼へ這いつくばって、犬みたいに私の靴を舐めたのはあんただろ。左目ひとつ潰された程度じゃ、まだ学習できないか?』

モニターに浮かんだその一文と、地獄の底から響くような無機質な機械音声を耳にした瞬間、羽鳥俊輔の血は完全に凍りついた。

残った片目が見開かれ、瞳孔がきゅっと縮む。眼底に湧き上がったのは、言葉では形にできないほどの恐怖。銃声と爆音の雨の中、殺戮の神みたいに現れたあの女が、血を滴らせる短刀を手に、目の前へ立った幻が脳裏を貫く。

「よ……夜凰!?」

羽鳥俊輔は裂けるような声で叫び、膝が抜けてその場へ尻もちをついた。ぶるぶると震え、歯...

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