第107章 ルームメイトを懲らしめる

九条陽向はふと振り返った。菅田雨子の顔色が真っ青で、目の焦点もどこか定まっていない。

思わず声を落として尋ねる。

「雨子、どうした? 顔色が悪いけど……具合でも悪いのか?」

菅田雨子ははっと我に返り、九条陽向の心配そうな視線に気づくと、すぐさまその場を取り繕った。

弱々しく額に手を当て、眉をきゅっと寄せる。風に揺れる柳みたいな仕草で、いかにも体調不良を装う。

「たぶん……昨日あまり寝られなくて。さっき日差しに当たったら、急にくらくらして……」

「くらくら?」九条陽向は金縁の眼鏡を指で押し上げ、残念そうに眉を下げた。「じゃあ、さっき話していた微積の最後の大問は……」

「先輩、本当...

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