第118章 行くなよ!

加藤浩史は眉をひそめた。

数日前、菅田雨子が問題を送りつけてきたことを思い出す。正直、あれはかなり不愉快だった。

だが、目の前の菅田美幸は、年上とは思えないほど腰が低く、哀れを誘う顔をしている。――たった一問のことだ。ここまで頭を下げられて、門前払いするのも気が引けた。

「菅田おばさん……美波も今、勉強で忙しいし……」加藤浩史は言い淀み、渋々口を開く。「俺は、話を伝えるだけなら。美波が引き受けるかどうかまでは、保証できませんよ」

「いいのいいの! それで十分よ!」菅田美幸はぱっと顔を明るくし、瞳の奥に「してやったり」の光を走らせた。さっきまでの陰気な表情は、嘘みたいに消える。

立ち...

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