第120章 同行する?

「は……はい、問題が一つ」

菅田雨子は慌ててバッグから、徹夜で印刷した複雑な高等数学の問題用紙を取り出すと、両手で菅田美波へ差し出した。声には露骨な媚びが滲む。

「お姉ちゃん、これ。これさえ解けたら、あのボーナスは一円も要らない。全部、お姉ちゃんにあげる!」

菅田美波は視線を落とし、紙面を一瞥する。

微積の派生とトポロジー理論が絡む。普通の大学一年には暗号みたいな代物だろう。だが、かつて世界最先端の兵器開発を主導した彼女にとっては――足し算のように単純だった。

「ペン」

菅田美波は必要な言葉だけを落とす。

「は、はいっ」

菅田雨子がサインペンを差し出す。

菅田美波は受け取る...

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