第23章 平手打ち

彼女はそれ以上は問いたださず、答案を受け取ると出席簿に菅田美波の名前と提出時刻を書き込み、席へ戻るよう顎で示した。

菅田美波の眼差しは澄んでいて、どこか淡い。教師の胸にひっそり残る惜しさなど、まるで気づいていないかのようだった。

物理の試験が終わると、菅田美波は真っ先に答案を提出し、そのまま教室を出ていった。

その背中が試験会場の扉を抜けた途端、後列の菅田雨子が堪えきれず顔を上げる。すぐに視界から消えた後ろ姿へ、口元を嘲るように吊り上げた。

早々に諦めた? 結局、根っこは変わらないってことね。

そう心の中で吐き捨てながらも、雨子のペン先は答案用紙の上をさらさらと走り続ける。

菅田...

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