第26章 菅田承吾が力を発揮した

青木正博市長は校長先生を一顧だにしなかった。視線を職員室の中でひと巡りさせ、最後に菅田美波へとぴたりと据える。

彼は足早に菅田美波の前へ進み出ると、へりくだりながらも恭しい笑みを浮かべ、軽く身を屈めた。

「菅田さん、こんにちは。私が青木正博です。こちらで何かお困りごとでも?」

その口ぶりは問いかけというより、露骨なほどのご機嫌うかがいだった。

校長先生と数人の主任は、貼りつけた笑顔のまま固まった。まるで誰かに停止ボタンを押されたみたいに。

市長のこの態度に、彼らは目を疑う。

菅田美波。彼らが「落ちこぼれのデブ」と決めつけていた生徒が、なぜ市長からここまで丁重に扱われるのか。常識が...

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