第43章 身の程知らず

菅田美幸は気づきもしないまま、勝手に言葉を重ねた。俗っぽい打算と、剥き出しの欲が、声の端々から滲み出てくる。

「お母さん、お金が惜しいわけじゃないのよ。ただね、あなたみたいな女の子が、他人にお金を使うのって……どうなのかなって。ほら、雨子だって外でどれだけ苦労して――あなたのお金、もし――」

言い終わる前に、菅田美波の視線とぶつかった。

底の見えない、冷え切った目。寒潭みたいに暗く、吸い込まれそうな瞳。

菅田美幸の喉がひゅっと縮んだ。言葉がそこで詰まり、足の裏から頭のてっぺんまで、冷たいものが一気に駆け上がる。ぶるり、と身体が震え、反射で口をつぐんだ。息の仕方すら忘れてしまう。

菅...

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