第60章 夜凰はもう死んだ

地べたに転がるドクロが、苦痛にまみれた悲鳴を上げた。

さっきの一撃で、右肩の貫通創が引き裂かれたのだ。血がどっと噴き出し、上半身の大半を赤く染める。痛みに身体はびくびく痙攣しているのに、口だけは負けず嫌いのまま、悪態を吐き続けていた。

菅田美波は、ナイト・オウルの銃をひょいと投げ返すと、ドクロの傍らへ歩み寄り、片膝をつく。

「触るな!」

ドクロが歯ぎしり混じりに吠えた。

菅田美波は聞こえないふりをした。無表情のまま、肩に雑に結ばれていた包帯をびり、と引き裂く。乱暴なのに、痛点だけを外していく手つきが異様に正確だ。

続けてバックパックから止血粉を取り出し、慣れた動作で創に振りかける...

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