第64章 登壇して開戦

菅田美波は包帯を巻く手を止めない。まぶたすら上げなかった。

露骨に無視されたことで、ドクロの胸の火はさらに煽られる。

「おい、話してんだろ! 聞こえてねぇのか!」

ドクロは一歩踏み込み、菅田美波の襟元を掴もうと手を伸ばした。「てめぇ、夜凰にでもなったつもりか? お前――」

言い終える前に、菅田美波が動いた。

速い。速すぎる。

ドクロは彼女が立ち上がった瞬間すら捉えられなかった。ただ視界がふっと白む。次の刹那、抗いようのない巨力が手首をがっちりと捉えた。

そのまま体を半歩ずらし、力を流す。

鮮やかな関節技、そして――肩越しに叩きつけるような投げ。

――ドンッ!

鈍い衝撃。

...

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