第75章 羽鳥俊輔のアジト……爆発した

それ以来、羽鳥俊輔は「暗夜」の名を耳にしただけで、反射的に遠回りするようになった。

夜凰が死体すら残らず消えた――そう確信できるまでは、尻尾を巻いた負け犬のまま、息を潜めていたのだ。

そしてようやく、メキシコ・カンクンという無法地帯へ逃げ込み、そこで徒党を組んで威張り散らす。

骨の髄まで臆病が染みついたあんな出来損ないが、菅田承吾の前で吠える資格があるとでも?

「おじさん」

菅田美波はスマホをしまい、自然な口調で張り詰めた空気を断ち切った。

「ちょっと、お手洗いに行ってきます」

菅田承吾が横目で彼女を見る。深い瞳に、わずかな甘さがよぎった。

「行ってこい。早く戻れ」

羽鳥俊...

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