第80章 顔に輝きがある

近所の連中はその様子を見るなり、風向きが変わったと悟って、さっと同調しはじめた。

「ほんとよねえ。いくら血筋が良くても、育て方ひとつで台無しだわ」

「やっぱり雨子ちゃんが優秀よ。これぞ本物のお嬢さま。J市随一の才女って呼ばれるのも伊達じゃないわ」

薄っぺらい持ち上げの声が飛び交う中、菅田雨子は菅田美幸の隣で、どうにか従順で上品な笑みを貼りつけていた。けれど体の横に下ろした手は、スカートの裾をぎゅっと握りしめている。爪が食い込みそうなほどに。

――分かってる。あの「偉い人たち」は、私に会いに来たんじゃない。

そのときだった。

菅田家の門の外で、耳を裂くようなバイクの爆音がいきなり轟...

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